【褥瘡・看護】改定DESIGN-R® 2020 ~どこが変わったのか、主な変更点~

看護

こんにちは、限界です。
現在、僕は褥瘡委員で、褥瘡と向き合っています。
管理栄養士の時は、褥瘡患者さんの食事状況や、血液検査データから現在、付加すべき栄養素やカロリーについて考えることが多かったです。
しかし、看護師になった今は、除圧から洗浄、創傷処置、食事介助など管理栄養士時代よりも、患者さんとさらに近い距離で関わることが増え、褥瘡はより身近なものとなりました。
現在の病院では、褥瘡の評価はDESIGN‐R®で評価しているのですが、2020年12月頃に日本褥瘡学会からDESIGN‐R®の改定が発表されました。
変更点の把握と、現場でどのように役立つのかを考えていきたいと思います。
下記のリンクが改定DESIGN‐R®2020 日本褥瘡学会の資料です。

http://www.jspu.org/jpn/member/pdf/design-r2020_doc.pdf

DESIGN‐R®2020の主な変更点

「深部損傷褥瘡(DTI)疑い」の追加

深さ(Depth)の項目に、「DTI:深部損傷褥瘡疑い」を追加する。
深部損傷褥瘡(DTI)疑いは、視診・触診、補助データ(発生経緯、血液検査、画像診断等)から判断する。
深さ(Depth)の項目の「U」の定義を「壊死組織で覆われ深さの判定が不能」に変更する。
「深部損傷褥瘡(DTI)疑い」の場合は、肉芽組織(Granulation)は基本的に「g0」と判定する。
それに伴い、「g0」の定義を「創が治癒した場合、創が浅い場合、深部損傷褥瘡(DTI)疑いの場合」に変更する。

「深部損傷褥瘡(DTI)疑い」の場合の記載方法
D(深さ)のところに「DDTI」と表記する。Dは従来通り合計点数に含めない。
(例)DDTI-e0S15ig0n0p0:16点

「臨界的定着疑い」の追加

炎症/感染(Inflammation/Infection)の項目に、「3C:臨界的定着疑い(創面にぬめりがあり、滲出液が多い。肉芽があれば、浮腫性で脆弱などを追加する。
「3C」あるいは「3」のいずれかを記載する場合は、いずれも点数は3点とする。

「臨界的定着疑い」の場合の記載方法
I(炎症/感染)のところに「I3C」と記載する。
(例)D3-E6s6I3CG6n0p0:21点

改定の理由

改定の理由は、現行のDESIGN-R®では、現場の褥瘡で評価できない場合があるので、それに即することができるように、評価項目を追加、修正しました。ということでした。それに伴い、注意した点は①継続して使えるよう大きな変更はしない。②深部損傷褥瘡(DTI)という言葉を用いるにあたり、ガイドラインや用語集、実態調査などとの整合性がとれるように、検討した。とのこと。

現場に落とし込むことを考える

DESIGN-R®は2002年から使用開始し、データが蓄積されてきています。それに伴い、評価ツールも臨床現場に合わせて作り変えているので、現場の声が反映されているため、現場でも使いやすいツールであると考えます。
また、具体的な「深部損傷褥瘡(DTI)」や「臨界的定着疑い」の写真の一例を改定冊子に載せてくれているので、イメージしやすかったです。
また、DTIのアセスメント方法もCTやMRI、エコー、血液生化学的検査(クレアチンキナーゼの使用が有用)など具体的で理解しやすかったです。
病院などであれば、血液検査を行ったり、エコーやCTを撮ることもできるので、有用な判断材料が手に入ると考えます。しかし、DESIGN-R®の一つの項目の点数を決めるために、それらの検査を行うのは現実的には想像しがたいのではないでしょうか。実際は、入院時や、臨時採血などのデータから、二次的な形でDESIGN‐R®の評価に結び付けるというのが現実的であると考えます。評価ツールはあくまで、現在の褥瘡状態を評価するものです。褥瘡治療には、やはり体圧分散、除圧、体位変換、栄養状態の改善、血流の確保、洗浄、適切な薬剤の使用、保護などを総合的に全スタッフが共通して行うことが必要です。「少しの間くらい、体位変換しなくても大丈夫だろう」とか「除圧はこれでいけるやろ」などと適当にせず、継続して行っていきましょう。今回は、この辺で。ありがとうございました。
限界。

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