【看護・食事】レビー小体型認知症における食事援助 ~認知症を知る~

看護

レビー小体型認知症における食事援助

病態

レビー小体型認知症は、初老期ないし老年期に発症する認知症で、アルツハイマー型認知症と血管性認知症とともに三大認知症といわれる。原因には、多数のレビー小体という病的構造物が大脳皮質や扁桃体、マイネルト基底核に出現し、それに基づき神経細胞脱落を起こすことが考えられている。後頭葉を中心として変性が進む疾患なので、視覚の問題とパーキンソン症状が前景に出ることが多い。男性に多く、認知機能は変動しながら進行していく。

症状

認知機能障害

認知機能の変動が特徴的で、日によって、もしくは1日のうちでも状態像が異なることがある。他の認知機能低下と比べて、視空間認知障害や実行機能障害が目立つことがある。

精神症状

幻視が特徴的であり、人物や小動物、虫といった具体的な幻視で、多くは繰り返しみられることが多い。

パーキンソン症状

特発性のパーキンソン症状を認める。
動作が緩慢になり、動作の開始が遅くったり、全身の筋肉がこわばってカクカクした動作になったりする。安静時の振戦は目立たないことが多い。姿勢保持反射障害や歩行障害などの運動機能障害を認めるため、転倒リスクが高くなる。

自律神経症状

起立性低血圧や尿失禁、便秘、体温調節障害を認めることがある。

その他

レム睡眠行動障害(夢に合わせて体が動いてしまう)があらわれたり、抗精神病薬への過敏性から過鎮静になったり、嚥下障害があらわれたり、悪化したりすることもある。

診断

レビー小体型認知症の臨床診断基準改訂版を使用することが多い。中核的症状として認知機能の変動、幻視、パーキンソン症状の3つがある。示唆的特徴にはレム睡眠行動障害や抗精神病薬に対する過敏性がある。

では、食事援助の場面で考えてみましょう!

レビー小体型認知症は認知機能が変動しながら進行していくことや、幻視が見えること、薬剤に反応しやすいこと、起立性低血圧など様々な症状があり、そこから食事援助の場面を考えてみます。

食事摂取量にむらが出る

認知機能が変動することによって食事摂取量にむらが出ることが考えられます。摂取量が少ない時もあることを意識しながら、調子のいい時に摂取していただくことが出来るよう、食事援助しましょう。

虫が入っていると勘違いする

レビー小体型認知症の症状で特徴的な幻視が影響していることがある。ゴマや食器の模様が虫に見えたりすることがあるため、栄養士にゴマを抜いてもらえるかや模様のない食器を使用するなどの工夫をしてみましょう。明るい環境のほうが、幻視がみえにくいということもあります。

活気がない

症状の一つに起立性低血圧があります。食事時に活気がなかったり、集中力がない、しんどそうなどの様子が見られたら血圧も気にしましょう。食事時間に合わせて、徐々に離床を促すなどしてみましょう。また、抗精神病薬への過敏性もあり過鎮静になっている場合もあるので注意しましょう。

患者さんの言動を観察し、疾患や薬の影響など多角的に考察していきましょう。
日々、精進です。

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