輸液のキホン②では、生理食塩水、1号輸液、3号輸液、5%ブドウ糖液の特徴について勉強しました。
輸液のキホン③では
リンゲル液、乳酸リンゲル液について勉強していきましょう。
血液のpH
リンゲル液について知る前に、血液のpHについて知る必要があります。
pH:7.35未満はアシドーシス
pH:7.45未満はアルカローシス
となります。血液が弱アルカリ性に傾いているのは血中に重炭酸イオン(HCO3-、アルカリ性)が存在しているためです。
血液の陽イオン
血液中に含まれる主な陽イオンにはナトリウム、カリウム、カルシウムがあります。
リンゲル液
生理食塩水はNaClだけで浸透圧の調整を行っていましたが、カリウム、カルシウムを加えることで、より血漿の組成に近づけています。
乳酸リンゲル液
乳酸リンゲル液の代表的なものにはラクテックがあります。
乳酸ナトリウムは代謝されることで重炭酸イオン(HCO3-、アルカリ性)になるので、血液のpHが低下(アシドーシス)するデメリットが限りなく少なくなります。
乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液は代謝されて重炭酸イオンになります。重炭酸リンゲル液は代謝する必要がないので、肝機能低下時やショック状態による循環不全時、救急領域などで有用と考えられます。ここで注意するとすれば、乳酸の代謝異常や高乳酸血症の患者さんに投与すると、血液が酸性に傾きアシドーシスになる点があげられます。
糖加乳酸リンゲル液
乳酸リンゲル液にブドウ糖などが加えられたもの。(例)フィジオ140などがあります。
これは、ブドウ糖を加えることにより生体内脂肪の異化亢進をおさえつつ血糖の過度な上昇を抑える目的があります。
組成の図
生理食塩水にカリウム、カルシウムを加えて血漿組成に近づけたものがリンゲル液
リンゲル液に乳酸ナトリウムなどを加えてアルカリ補正したものが、乳酸リンゲル液
まとめ
輸液のキホン③では、血液のpHや組成について、その組成に近づけたものがリンゲル液、乳酸リンゲル液であることを勉強しました。少しずつ、輸液のことが分かってきた気がします。ブログを書いていると、まだまだ、知らないことだらけだと痛感します。
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