【看護】輸液のキホン④ ~低張、等張、高張電解質輸液について~

栄養

輸液のキホン③では、リンゲル液、乳酸リンゲル液について勉強しました。

輸液のキホン④では、低張電解質輸液、等張電解質輸液、高張電解質輸液について勉強しようと思います。

浸透圧

浸透圧:水は濃度の低いほうから高いほうへと移動する。

低張、等張輸液について知る前に、浸透圧について知る必要があります。
浸透圧とは、中学、高校の化学の授業で習った、半透膜で仕切られた溶解液中の濃度勾配による水の移動がありましたね。
あれが、細胞や血管内で起こっているのです。正確にはNa、Kチャンネルなどがあるので厳密にいうと違うかもしれませんが。
溶解液中の濃度勾配っていう言葉が分かりにくいですね(‘_’)

表現するなら、ナメクジに塩をかけたら小さくなってしまうことをイメージしたら分かりやすいかと思います。
または、ラーメンなど塩っ辛いものを食べると喉が渇いて水分が欲しくなるとか。そんなイメージでしょうか。

ここで覚えておきたいのは水は濃度の低いほうから高いほうへと移動するということです。

血液の浸透圧

血漿浸透圧:285±5mOsm/L(ミリオスモル)

基準となる血漿の浸透圧です。
ここは、ふーんと見ておいてください。

細胞の変化


低張液、等張液、高張液に浸かったとき、細胞がどのような変化をするか図で示しました。
左:低張液では水が細胞内に入り、ぱんぱんに膨れます。(例)溶血など
中:等張液では浸透圧が同じなので、細胞の形が変化することはありません。
右:高張液にに浸かると、細胞内から水が抜けていき、小さくしぼみます。

血漿の浸透圧に関わる陽イオン


上の表より、血漿の浸透圧に関わる陽イオンはNa、K、Ca、Mgで、水色の部分です。
血漿の陽イオン濃度は合計で154mEq/Lで0.9%生理食塩水の濃度と同じです。
復習は輸液のキホン②
この154mEq/Lを基準として、輸液濃度が
154mEq/Lより高いと、高張液
154mEq/L と等しいと等張液
154mEq/Lより低いと、低張液となります。

高張電解質輸液

3%生理食塩水、20%ブドウ糖液などがあるようです。僕は実物を見たことはありませんが。
低Na血症などの意識障害があるときなどに使用されるようです。
低Na血症では、血漿よりも細胞内の浸透圧が高いため、細胞内に水が移動して膨張します。
よって、血漿内にNaなどを補充し血漿内の浸透圧を上げることで、細胞内に水が移動しないようにして細胞が膨張することを防ぎます。

等張電解質輸液

0.9%生理食塩水、5%ブドウ糖液、乳酸リンゲル液など
救急や麻酔などの循環血液量を保持したい時などに使用されることが多い。
等張液は細胞内と血漿の浸透圧が等しいので、水の移動はありません。

低張電解質輸液

1号輸液、3号輸液など
細胞内に水を送りたいときに選択されることが多い。
例えば、食事量が十分でない場合、術後患者さん、長期的に水分不足である場合。
脱水により、細胞内の水分まで不足している状態のときに、低張液を輸液することで、細胞内に水を移動させ細胞が収縮することを防ぎます。

まとめ

輸液のキホン④では、浸透圧とは、血漿の浸透圧、低張液、等張液、高張液について知りました。
臨床現場では輸液を投与することで、細胞がどのように変化するかを想像し、少しでもアセスメントにつなげることが出来たらと思います。
復習は輸液のキホン①
輸液のキホン②
輸液のキホン③

コメント

タイトルとURLをコピーしました